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ブースターのあれこれ【VOX EQとOAM VB2】

ブースターのあれこれ【VOX EQとOAM VB2】

お客様からお問い合わせいただく内容で多いのが「ブースターに関して」というものです。

音量を上げたい、ゲインを上げたい、音色に艶を加えたい、ギターの信号をパワフルにしたいetc…そう、一言にブースターと言っても用途はまるで違うのです。

ブースターの色々

・ギター直後の出力をブーストしたい

この場合、ペダルボードの前段に配置される事を念頭に選択する必要があります。つまりギターやベースの出力インピーダンスである250Kから500K前後のインピーダンスを受けて、あまり低インピーダンスになりすぎずに出力してくれるものが良いですね。
また、ゲイン(歪み)を持たず、単純なレベル(音量)ブーストとして使用できるものが良い場合も多いです。そう言う意味でON/OFFする必要がなければCrews buffoutをお勧めしますし、ON/OFFする必要がある場合はEXOTICのAC Boosterなどをお勧めします。

オーバードライブなどの手前からブーストしたい

この場合は星の数ほどあるブースターのどれを選んでも間違いありません。
音色が好みであればどれも正解です!

ファズの手前からブーストしたい

この場合はブースターによるインピーダンスの変化がファズの音色に影響を与えます。全く影響がない、ということはあり得ないので、オーバードライブの時と同じ様に、その音色の変化が心地よいものを探してください。MXR/Shin’s MusicのMighty Boostなども使いやすいと思います。

歪みの後段で音量をブーストしたい

所謂「SOLO VOLUME」という形で音量をブーストしたいというお問い合わせも多いです。
この場合は基本的に他の歪みペダル類が既にONになっている前提で、さらに音量を稼ぎたいということですね。

注意しなければならないのは、接続先のアンプ(JCやマーシャルやFenderアンプなど)のヘッドルームと出力にどの程度余裕があるのか?という点です。
例えばある程度音量が上がった状態のマーシャルや30W程度の真空管アンプの場合、アンプの手前からどんなに大きな信号を送っても「歪み量が上がるだけ」で音量は頭打ちしてしまいます。これは、アンプの特性的に「もう音量が上げられない状態」になっているからです。つまりブーストしても上がるのはゲインだけ。この場合、通常の音量をペダルなどで下げておき(プリセットヴォリューム)音量を上げたい時にそのペダルをバイパスする(ノーマルボリューム)にする、という様に、ペダルとアンプの使い方に一工夫加える必要があります。つまりノーマル状態をVOLUME80%、SOLO VOLUMEを100%として使う様なイメージです。ですが、50%くらいまで音量が下がらないと、体感として音量が下がったとは思えないでしょう。サウンドがクリーンになるばかりです。この場合はアンプを変えてください。

では買うならどのペダル?

歪みの手前だけでなく、後段でもサウンドに締まりを加えたり、ある程度のボリュームブーストを行いたい場合はKLON系のペダルが良いでしょう。また、ヘッドルームに余裕がある真空管搭載のクリーンブーストなども有効ですが、入手のしやすさで言えば圧倒的にお勧めなペダルがあります。それがEQペダルです。

VOX Valvenergy TONE SCULPTORを試すべき

特にお勧めなのがこちらの製品です

https://www.digimart.net/cat13/shop2820/DS09075834

定番のグラフィックイコライザースタイルなのですが、真空管(NuTube)を搭載している点がポイントです。真空管ならではのヘッドルームや適度なサチュレーション、音色などを併せ持ったEQなので、プリアンプ的に使用してもブースターとしても非常に秀逸なのです。

アコースティックギターのメイン・プリアンプとして、そして歪みペダルの後段に配置したレベルブースターとしても使えます。ストーナーロックにおけるクワックドサウンドを作る場合にも最適
イコライザーというよりはトーンクリエイト・ペダルと言うべきでしょう。

もう一つおすすめなのがこのマニアックなブースターです。

OAM VB-2

VB-2に関しては詳しくこちらのブログでもご紹介しておりますので諸々は割愛しますが、とにかくギターでもベースでもサウンドをグッと一段前に立たせる素晴らしいペダルです。地味ですがすごいです。ブースターとしてはもちろんですが、オーバードライブ/ファズサウンドとしても他にはないゴツいミッドレンジが楽しめます。

そんなVB-2を
もっと積極的に使用したい皆様に向けて
6月に新製品が入荷します。

OAM VB-2+

VB-2+はVB-2にインプットゲインの調整を加えたモデルです。基本的にはVB2と同回路なのですが、インプットゲインが2つあり、フットスイッチで切り替え可能です。これはギターのボリュームを操作している感覚と同じように使用でき、一方を基本のドライブサウンドにセットし、一方のインプットゲインを下げる事でギター側のボリュームを下げた際のようなクリーン/クランチをプリセットとして生み出す事ができます。

つまりファズ的サウンドからギター側のボリュームを絞った際のファズ・クリーンサウンドを瞬時に切り替えられます。店頭にサンプルがございますのでぜひ、お試しください。

と言うわけでブースターの色々とおすすめ製品をご紹介しました。いずれも地味な存在ですが、あなたのトーンをゲインだけでなく、1段と言わず2段も3段も押し上げてくれる機材であることは間違いありません。ぜひご相談ください。

村田