VOX HAND-WIREDは結局どれを選べばいいの?自宅での使用も想定したVOX AMPの選び方 [完全ガイド]

渋谷店ニシキドです。
今回のブログでは店頭でもメールやお電話でのお問い合わせも多い「VOXの新しいHAND-WIREDシリーズが凄いのはわかった!ずっと気になってはいるけど…どのモデルが自分に一番適しているんだろう?」という疑問にお答えするべく、シリーズ各モデルごとの特徴や使い方をまとめていきたいと思います。まずは全シリーズに共通する項目を確認していきましょう。
HWRシリーズの共通項:
①全てのラインナップにおいてMASTER VOLUMEで音量を絞ればマンション/アパートでも音が出せるような小音量で使用することが可能。高域や低域の劣化も少なく優秀なMASTER VOLUMEとなっております。
②電源回路のコンデンサやチョークコイルを見直すことで、有機的で音楽的なハーニックドライブ、絶妙なSUG感、心地よいレスポンスとコンプレッション感を生み出しチューブアンプならではのサウンドとニュアンスを最大化。
③ヴィンテージ個体を参考に開発したカスタム・アウトプットトランスにより、誰もが認めざるを得ない由緒正しきヴィンテージVOXのトーン/フィールを実現。
④全てのモデルにカスタム・トランスで駆動するスプリングリバーブユニット内蔵。センド/リターン入出力のBYPASSスイッチとレベル調整のスイッチ、フットスイッチ(リヴァーブのON/OFF)対応は全てのモデルに共通します。
⑤スピーカーサイズは全てのモデルで12インチを採用。
というわけで今回各モデルで比較していくのはチャンネル数やその他機能、外部接続関連、サイズ感/重量、搭載スピーカーの違いになります。みなさまに最適なVOX HWRシリーズがこちらの記事で見つかることを祈っております!
VOX AC4HWR1 |Greenback


CLASSS A EL84パワーチューブを1本使用したシングルプッシュ方式。TOP BOOST 1チャンネル(HIGH/LOW 2INPUT)スピーカーは1基搭載。最も自宅にも置きやすいサイズ感と音量感で、本格的なVOXサウンドを手に入れることができるモデルとなります。また、今回のHWRシリーズではTOP BOOST CHであるにも関わらず、歪みペダルの入力をある程度受けることができるように設計されております。(アンプ自体を過度にドライブさせない前提) 特にLOW INPUTを使って試してみてください。上手くいくはずです。また、クリーンである程度 音量を出したいといった場合にもLOW INPUTは有効です。
外部接続:
EXTERNAL SPEAKERのみ。出力した信号を内部スピーカーに戻すことはできないので、パワーアンプ部と内蔵スピーカーの間にアッテネータを接続することはできませんが、外部スピーカーを用いればアッテネーターの使用も可能です。もしくはダミーロード/ロードボックスで完全に消音状態にしライン出力だけを得て、外部のスピーカーシミュレーターを使うなどの活用方法があります。

| サイズ/重量 | W416 × D243 × H474mm / 13.6kg |
| 外部接続 | EXTERNAL SPEAKER(16Ω) ※使用時本体のスピーカーはミュートされます |
VOX AC10HWR1|Greenback


Class A EL84パワーチューブを2本を使用したプッシュプル方式。TOP BOOST 1チャンネル(HIGH/LOW 2INPUT) スピーカーは1基搭載。コントロールやスピーカーの数など基本的にAC4HWR1と同じですが、プッシュプル方式になることでより飽和感のあるドライブサウンドが得られるようになります。自宅だけではなく、本格的にライブやレコーディングの現場での活躍させたいという方におすすめしたいのは音量感的にAC10HWRからになるかと思います。AC4HWR1と同じく歪みペダルを入力したい場合やクリーンな状態で音量を出したい場合にはLOW INPUTを使用してみてください。
外部接続:
AC4HWR1と同様になります。
| サイズ/重量 | W530×D243×H474mm /16.4kg |
| 外部接続 | EXTERNAL SPEAKER(16Ω) ※使用時本体のスピーカーはミュートされます |
HIGH INPUT / LOW INPUTの使い方はこちらの動画をご覧頂けるとわかりやすいかと思います。
VOX AC15HWR1|Greenback
VOX AC15HWR1X|Alnico Blue


Class A EL84パワー管×2本使用したプッシュプル方式+GZ34整流回路を採用。さらに12AT7を採用したチューブリヴァーブを備えています。スピーカーは1基搭載。AC15HWR1からはNORMAL CHとTOP BOOST CHの2チャンネル仕様(それぞれにHIGH/LOW 2INPUT)となります。どんな入力でも受けてくれるフラットな周波数特性を持つNOMAL CHが使いたいという方は、このAC15HWRもしくはAC30HWRがおすすめとなります。さらにこのAC15HWRだけの特徴としてNORMAL CHにBOOSTスイッチが搭載されております。このスイッチはヴィンテージVOXで採用されていたEF86プリチューブのドライブ特性を再現したブーストスイッチになっており、ONにすればNORMAL CHながら飽和感のあるクランチサウンドを得ることが可能です。開発者がリファレンスにしたヴィンテージAC15のEF86サウンドが「言葉にできないほど良く、どうしても今回のモデルにそのサウンドを落とし込みたくなった。」とのことで採用されることとなりました。
外部接続:
AC15HWRとAC30HWRにはSPEAKER OUT×2(8Ω/16Ω)が設けられており、スピーカーからのケーブルが直接本体のSPEAKER OUTに接続されております。物理的な問題で“スピーカーから伸びているケーブルを延長/もしくは長いものに交換する必要”はありますが、アッテネーターへの接続と内部スピーカーの使用が可能です。
ちなみに今回のHWRシリーズでEF86を採用しなかった理由ですが、EF86は繊細で取り扱いが難しく、使用しているうちにマイクロフォニックによるトラブルやノイズが発生する可能性が高まります。安心して長く使っていける”製品としての実用性”を重要とし、EF86は使用せずに設計されました。
また、前の項目にて
「全てのラインナップにおいてMASTER VOLUMEで音量を絞ればマンション/アパートでも音が出せるような小音量で使用することが可能。高域や低域の劣化も少なく優秀なMASTER VOLUMEとなっております。」と書きました。その上で、これはVOX AMPに限らずどんな真空管アンプにも言えることですが、MASTER VOLUMEもしくはVOLUMEをグッと上げた状態のパワー管で生まれるドライブやサチュレーションが欲しい場合には、使用環境に適正な音量感のモデルを選ぶか、アッテネーターやダミーロードを導入し、音量調整が可能な状態でパワードライブを得ましょう。」また、「どんな入力も受けてくれるフラットな周波数特性を持つNORMAL CHが使いたいという方は、AC15HWRもしくはAC30HWRがおすすめとなります。」とも書きました。当たり前ですがアッテネーターを接続できればパワードライブを得ることも、出力の大きいAC15HWRやAC30HWRを自宅で使用することが可能です。サイズが大きいので”置けるスペース”だけご用意頂ければ問題ありません。

| サイズ/重量 | W5591×D263×H567mm / 22.1kg(GB) , 22.7kg(AB) |
| 外部接続 | SPEAKER OUT×2(8Ω/16Ω) |
AC4HWR1〜AC15HWRまでの共通項:
ヴィンテージVOXの構造に倣い、天板以外は薄い板厚で組まれております。該当モデルでは僅か9mm前後の板厚を採用。これにより”箱で鳴ってくれるアンプ”となるわけです。AC30HWRに関してはスピーカー2基搭載であることなどもあり、耐久性を考慮し板厚12mm前後と少し厚くなっております。
VOX AC30HWR2|Greenback
VOX AC30HWR2X|Alnico Blue


Class A EL84パワー管×4本使用したプッシュプル方式+GZ34管整流回路を採用。さらに12AT7を採用したチューブリヴァーブを備えています。スピーカーは2基搭載。NORMAL CHとTOP BOOST CHの2チャンネル仕様(それぞれにHIGH/LOW 2INPUT)となります。説明不要の歴史的アンプAC30のヴィンテージ・モダンヴァージョン。今回のHWRシリーズの全ての基準となる世界中で高い評価を得ているモデルです。スピーカー2発はやはり音の広がり方が違い、ジャーンとコードをかき鳴らした際「これぞVOXの王道ロックサウンド!」を感じることができ、その開放感はたまりません。さらにリバーブを使用した際の”浸れるリバーブ感”は感動的と言っていいほどです。
外部接続:
AC15HWRと同様になります。
| サイズ/重量 | W705×D263×H567mm / 30.8kg(GB) , 32.0kg(AB) |
| 外部接続 | SPEAKER OUT×2(8Ω/16Ω) |
AC15HWRとAC30HWRの共通項:
GZ34管整流回路を採用することでアタックのナチュラル感を生み出します。また全モデルにスプリングリバーブユニットが搭載されておりますが、AC15HWRとAC30HWRはそれを12AT7管で駆動させることにより、よりナチュラルで柔らかな質感のリバーブを生み出します。スピーカーはGreenbackを搭載したモデルとAlnico Blueを採用したモデルの2種をそれぞれラインナップ。
GreenbackとAlnico Blueの違いに関して
Greenback Speaker(グリーンバック)
グリーンバックはアルニコブルーに比べ、【骨太】で【ロック】な側面を引き出すスピーカーです。アルニコに比べて高域の鋭さが抑えられており、代わりに押し出しの強いウッディな中低域が強調されます。全体的に図太く、アメリカンロックに好まれるパンチのあるサウンドです。歪ませた際の「唸り」も心地よく、コード弾きでも音がバラけずに塊となって飛んできます。アルニコより早い段階から心地よいスピーカー・ドライブが得られるのも特徴のひとつです。
Alnico Blue Speaker(アルニコ・ブルー)
アルニコブルースピーカーはVOX AMPの【伝統】と【煌めき】を象徴するスピーカーです。「チャイムのような」と形容される非常にクリアで美しい高域とややルーズな低域のレスポンスが最大の特徴で、コンプレッション感が強く、ピッキングの強弱に対して音楽的なレスポンスを持ちます。中域に独特の粘りがあり、ボリュームを上げドライブした際の滑らかなサチュレーションは絶品。鈴鳴りのようなクリーン〜クランチを求める場合に最適です。
動画でもチェック頂けます▼
VOX AC30HWRH


前述のAC30コンボのヘッドヴァージョン。お手持ちのキャビネットでAC30HWRを使用したい方や、自宅でのライン録音をメインに活用したい方におすすめです。ヘッドタイプですのでアッテネーターを使用しキャビネットに接続することも、ライン録音のためダミーロードに接続しライン信号を抜き出したい場合にも接続が容易です。当たり前ですがコンボに比べればサイズ感がコンパクトになるので、棚などに(別のヘッドコレクションとまとめて)収めることも可能です。スタックアンプ・スタイルで使用したい場合はV212HWRX CABINET(Alnico Blue×2)も販売されておりますので揃えることが可能です。
外部接続:
AC30HWRと同様になります。
| サイズ/重量 | W705×D263×H302mm / 19.7kg |
| 外部接続 | SPEAKER OUT×2(8Ω/16Ω) |
総評:
“同じ中身をサイズ感とワット数を変えて焼き回した製品でない”というのが今回のHAND-WIREDシリーズの最も素晴らしく興味深いところです。「大は小を兼ねるじゃないけど結局AC30が一番いいんですよね?」と横並びの製品として優劣をつけ比較する必要なく、それぞれこだわりを持った”個の製品”として設計/開発されています。 故に「どれにしようか…?」と迷っていた方も多いのではではないかと思いますが、今回の記事でそんなみなさんの背中を少しでも押せる内容になっていたら嬉しい限りです。
以上の要点をふまえたら、是非もう一度こちらの動画に戻ってみましょう!!(初めて目にする方は是非ご視聴ください!)きっとあなたにピッタリのVOX HWRが見つかるはずです。
今回のブログでわからなかった部分や、おすすめのアッテネーター/ダミーロードもしくはキャビネットシミュレーターに関して、その他 何か気になることやご質問等がございましたらお気軽にフーチーズ渋谷店までお問い合わせください。
渋谷店 ニシキド
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