NEW FINISH SUCCESS!
“何故NOC (Nitro Over Cellulose)フィニッシュに変更したのか?
PRSでは長年、薄いニトロのトップコートの音色、及び触り心地(雰囲気)を近代製造技術を用いて提供し、さらにPRSの代名詞ともなる「dipped in glass」(まるでガラスの液体に浸したかのような)見栄えを失わない組み合わせで美しさを追求していました。
NOC以前(2019年末までに生産された楽器)はベースコートにポリエステル、トップコートにアクリルのウレタンを使用することにより、PRSが求める透明感のある「薄くて硬いフィニッシュ」にしていました。
このNOCは、実質Private Stockと同じニトロフィニッシュ・トップ・コートです。つまりサテン・ニトロを除けば全てのPRS USA工場で生産する楽器は統一したトップ・コートのフィニッシュを持つ事になります。全てのボルトオンモデル(S2シリーズを含む)も、2020年生産分からNOC塗装に切り替わりました。
これにより、プライヴェートストックはニトロ(ベース、トップ両方にニトロを採用)し、コアシリーズ/S2/ボルト・オン モデルはNOCフィニッシュ(ベースがCAB、トップがニトロ)に変更となります。
ちなみに下地塗装に使用されるCABは “Cellulose Acetate Butyrate”の略で、通常のアクリル塗装+ニトロ塗装の組みわせよりは「クラッキングしにくい性質」のものです。この塗装を採用したポイントとしては当然「硬さ」「耐久性」そして「音」を考慮しているのですが、さらに言うと「繰り返し同じクオリティーで塗れるプロセス」=「製品・製造の安定化」も追及してます。加えて、他ブランドはニトロに混ぜものを加える事によって「クラッキング=塗装割れ」を防ぐ努力をしていましたが、これはフィニッシュをとてもフレキシブルにしてしまう可能性があります。ポールリードスミスは、フィニッシュがフレキシブルな性質のものになってしまうと、ギターの振動そのものを吸収してしまうため、これを避ける他の方法を研究し続けてきました。その答えが今回のNOCアップデートとなります。”