【連載コラム】USAGI NO MIMIの楽しみ方(20代後半男性の場合 その1)
前回の【コラム】USAGI NO MIMIの楽しみ方(40代男性の場合)に続き、(20代後半男性の場合)をニシキドがお届けします。
※製品に関する詳細などは商品ページや過去のコラムでご覧頂けますと幸いです。
はじめに
アナログレコード、ラジオ、カセットテープ、CD、MD、各種ポータブルプレイヤー、MP3プレイヤー、iPod〜と進化し、より便利に手軽に音楽が聴ける時代がやってきました。
昨今のギター関連の機材もそうですが非常にハイクオリティーでなんでも出来る。しかも驚くような価格で。
それらは様々な可能性を広げてくれます。
便利で手軽なものというのは「経験した人」、「未経験の人」の境界線を無くしてくれます。簡単に例を挙げるとピアノやギターやドラムをプレイできなくても打ち込めたり、手に入れることの難しい希少な機材のサウンドをシミュレーションしたリグをボタンひとつで実装できたり。
しかしながら便利や手軽に甘えすぎてしまうと大事な何かを忘れてしまうかも知れません。
機材やテクノロジーがここまで充実していなかった時代、当時のプレイヤー達は工夫に工夫を重ねることで、”おもしろい音”や”いい音”、”新しい音”を追求してきました。それらは現代の機材を使えば一瞬で出せてしまうかも知れませんが、そこまでに行き着くには様々な発見やドラマがあったかと思います。またそうして生まれてきたサウンドにはどれも説得力があり、素晴らしいのです。この過程がなければ生まれてこなかったサウンドや楽曲、名演がたくさんあったはずです。
ちょっと話が逸れました。
普段、何気なく音楽を聴く場合きっと”自分自身が心地よいと思う音“で音楽を聴いている場合が多いかと思います。それはとても自然なことで大アリだと思います。プレイヤーのイコライザー設定やスピーカーのキャラクターで僕らは好きなように”自分の理想の聴こえ方を作る“ことができます。しかし…
「演奏者が本当に伝えたかった音、やっとたどり着いた音や表現」とはどんなものなのか?気になりませんか?これを探っていけば、そこにはたくさんの秘密やロマンが隠されているはずです。それを探しに行けるツールこそがUsagi no mimiだと思います。
きっとみなさんの音楽人生、プレイヤー人生をより豊かにしてくれるでしょう。
実際にUsagi no mimiを導入してみて
はじめに。の項目でさぞわかっているかのように書いちゃいましたが(導入部分のつかみは大事なので…)僕もそれらの音を探しにいく旅に出たばかりです。笑 わかりやすいので自宅のデスクの写真を公開っ。 僕自身も割と”自分が聴きたい音を作って”音楽を聴いてきたと思います。
従来の音楽再生環境ではPCからsteinberg UR-22(オーディオインターフェース)、KRK Rokit5(アクティブスピーカー)と接続しておりましたが、現在はPCからUsagi no mimi、YAMAHA NS-B330(パッシブスピーカー)という形になりました。
従来の環境でも”自分がかっこいいと思う音”は出てたのですが、以前とは違うリスニングに対する姿勢で比較してみるととても派手で。笑(それが大好きなのですが) 力強いがゆえに音が塊になってしまう感じがしました。シチュエーションやジャンル、環境、目的によっても変わってきますが、ローがリッチなので他の音があるべきところを埋めてしまっている?ような感覚もありました。あと少し硬質に感じました。
Usagi no mimiを導入した後の環境では、まずサウンドのリアルさがモロです。目の前で演奏されているかのよう。特にアコースティックな楽器はわかりやすい。弦の引っかかる感じや揺れる感じ。ソフトなヴォーカルが時々出すエッジボイスの粒立ち感。全体的にはまるで清流のようにサウンドが澄み渡ってますし、サラサラな分離感。飛んでくる音もシルキーで、余計に”場”を埋め尽くしません。飛んできた音が不必要にとどまることなくフワッと去って行くような。何もないところには何も置かないというか…とにかくしっかりと空間と余韻を感じさせてくれます。抽象的な表現ばかりですが体験して頂ければ、なるほどね。と思って頂けると思います。
ちなみにチェックに使用した音源のひとつはこれです。
Phoebe Snow-Good Times
ここからは20台後半男性が選ぶ Usagi no mimiを使うとより楽しめる楽曲”を紹介していきたいと思います。
Robert Glasper-Yes,I’m Country(and That’s OK)
まずは何が起こっているのか映像でご確認ください。そして次の音源を聞いてみてください。
3人だけのこの空間でこれだけの立体感を生み出しているのです。彼らは音階、拍、空間(定位)全てを掌握し、まるで自在に駆け回り遊んでいるようです。音の奥行き、定位感、全体の空気感がまるで目の前で起こっている事のように見えてくるUsagi no mimiであればこの”遊び”を存分に堪能することが出来ます。
Erykah Badu-The Other Side Of The Game
1997年にリリースされたライブアルバムから「Other Side Of The Game」という曲です。どうでしょうか?このバスドラとベースラインの絡み。シンクロ率。とっても抽象的な表現ですが、僕は今回改めてこの曲をUsagi no mimiで聴いてみた時、水中花火を連想しました。”水しぶきや波紋を立てて打ち上がり、夜空にパッと咲き誇り緩やかに散っていくようなイメージ“です。ロバート・グラスパーが“奥行きとワイドの立体感“であればこの曲はタイトで”直線的な垂直方向の立体感“のような気がします。主観ですが。特に3:50〜が特に凄いです。聞いてみてください。
Erykah Baduはもう一曲、特に好きな曲がありまして…2000年にMotown Recordsからリリースされた「Mama’s Gun」というアルバムの中の一曲目。「Penitentiary Philosophy」この曲にはやられました。ジャンルで括るとネオソウルに分類されるバドゥですがこの曲は最高にロックしてるんですよね…
Erykah Badu-Penitentiary Philosophy
なんかどっかで聞いたことないでしょうかこの感じ?何かを感じませんか?Jimiへの強い影響を感じますよね。
そう。この作品は”Electric Lady Studios”で収録されています。Electric Lady Studiosでは現在に至るまで様々なジャンルの名盤という名盤が録音されておりますが…
今回は前述の流れもあり、”SOULQUARIANS“に注目してみました。
90年代後半〜2000年代初頭まで、ネオ・ソウル/オルタナティブ・ヒップホップを主に志向しElectric Ladyを拠点とし積極的に音楽活動を行っていたThe RootsのQuestloveを中心とした音楽集団”SOULQUARIANS”。Erykah Baduの「Mama’s Gun」もこの時期に制作されてます。他にもThe RootsはもちろんD’Angelo、Commonなどが作品を収録。また、主要メンバーにはPino Palladinoなどもおりました。
レコーディングだけではなく、日夜様々なセッションや生活が営まれていたこの場所で、何を目指し、どんなことが起こっていたのか…。そして、そんな彼らが“Electric Lady Studiosで辿り着いた音”とは!?
最後はこちらをテーマにプレイリストを作成してみましたのでご紹介させて頂ければと思います。
※当時の裏話が書いてあるので興味のある方はこちらの記事も是非チェックしてみてください。
外部リンク:SOULQUARIANS 当事者たちが振り返るSOULQUARIANSとELECTRIC LADY STUDIOSの歴史
SOULQUARIANSがElectric Lady Studiosで辿り着いた音
いかがでしたでしょうか。
前回のUsagi no mimiブログ(40代男性の場合)で取り上げられてましたが、様々な楽曲に共通する”ウォーターフロントスタジオの音”が確かにそこにありました。
Usagi no mimiで視聴して頂ければ、今回のSOULQUARIANSにも”共通した”、”一貫性のある”トーンがきっと見つけられるはずです。時代を超えて、Jimiの意思を継ぎ、歴史と空間をアートとして記録したSOULQUARIANS。改めて僕もじっくりとこのプレイリストを楽しみたいと思います。
最後に
この記事を読んでくださっているみなさまはほとんどがプレイヤーの方だと思います。よってリスニング環境よりも自分が実際に弾く楽器やその周辺機材の導入の方が優先順位が高いかもしれません。
しかし自宅で音楽と触れ合う時間をより有意義に過ごしたい、宅録や楽曲制作、サウンドメイクなど次のステップに向かいたい。そのためには自宅の環境を整えたいな…という欲求が少なからずきっとあると思います。そんな時の候補にUsagi no mimiを入れてもらえたらなと思います。
聴こえなかった音が見えてくる、こんな音入ってたっけ?、こんなに立体的なのか…、これはきっとあのギターを使ってるな、実はこんな風に弾いてるんじゃないか?録音してるんじゃないか?、こんなに”空間の音”が聴こえるのか…きっと多くを与えてくれるに違いありません。
今回も最後までご覧頂きありがとうございました。
渋谷店:ニシキド