【ブログ】低音で広がる世界?
みなさんこんにちは渋谷店 ニシキドです。
渋谷店で展開しております多弦フェア。普段のフーチーズをご存知の皆さんからするとおっ?っと少々意外な感じかもしれません。(ヴィンテージサウンド、クラシックロックなどのイメージがやはり強いですからね)
しかしながらクルーズ(フーチーズ)の歴史は元々コンポーネントに始まり、「故きを温ねて新しきを知る」スタイルですからモダンなラインナップとクラシックなラインナップが共存しているわけです。そして今回はモダンな方なわけですね。
村田さんはほぼ全域が守備範囲だとして笑、 和田さんは歌謡曲ルーツ、実際の音楽性は80年代以降の”ディストーションサウンド”がメインの守備範囲です。今回の多弦フェアはそんな和田さん中心に展開しておりますが、僕もちょっとかっこいいの知ってるぞ!というのが今回のブログです。
Steve Vaiは結構聴いておりましたが、前回の和田さんブログでも触れていたので今回は他の人達を…!!
Kornの方がきっとわかりやすいんでしょうけど僕はこっちでした。Limp BizkitのWes Borland。
重厚でアグレッシブなリズムセクションの上に、ダークなディストーションサウンド、怪しげで浮遊感のあるクリーンアルペジオを絡めつつ、静と動の展開、エフェクトの使い方が抜群に上手い。空間系の使い方も上手くダークなU2のジ・エッジという感じ。こんなところがWes Borlandの特徴でしょうか。7弦だからできる複雑なヴォイシングのコードもうまく使って独特な音像を生み出しています。
7弦を使っていたのは一時期みたいですが、Wesはどうしても入れておきたかった!基本リンプはLow=C#の楽曲が多かったはずです。後こんな動画を見つけました。ピエゾ付きの7弦ソリッドを使いこなすWes。今当店で扱っているMUSIC MAN MajestyやJPもこれができるわけですね。なるほど。
あと余談ですがWesのプロジェクトBlack Lights Burnもかっこいいです。ここでは彼自身も歌ってます。
お次はこの人。Chris Brodelickです。(写真左1)
2008年頃Megadethに加入。多すぎるので所々中略しますがChris Porland→Nick Menza→Marty Friedman→Glen Drover→Chris Brodelickです。彼はメガデスのツアーで7弦が入っていない過去の楽曲を演奏する際も7弦を構えてましたね。そこが「おっ!」というポイントです。そしてバカテクでした。
彼が初参加したのが下の作品でメガデスにしてはインテレクチュアル要素が少ない、メロディには期待できないなど言われておりましたが、それ突っぱねるくらいの攻撃性でとってもスラッシュメタルしてると思います。あと年々ムステインのヴォーカルに磨きがかかってるんですよね。それも良くて。最近のメガデスもかっこいいです。この前作の「United Abominations」や もっと遡ると「Cryptic Writings」みたいなメロディアスなメガデスも、従来のインテレクチュアル要素たっぷりなメガデスもどれも良い。
でクリスの話に戻りますが、ジャクソンとエンドースしたタイミングでMEGADETHのステージでは6弦に切り替えます。そしてその後 彼は音楽性の違いを理由にメガデスを脱退。脱退後自身のプロジェクトAct of Defianceを始動しますがここでは7弦バリバリ。笑
あ、この人7弦が弾きたかったんだ。と思ってしまいます。本当に好きなんですね。ちなみにクリスの後釜は元ANGRAのKiko Loureiroでクリスは現在In Flamesに在籍しているそうな。
お次は僕自身が一番ラウドミュージックにハマっていた頃に好きなり、今でもよく聴いているTriviumです。多少メンバーも変わっていたりしますが2005年くらいに知ってから 作品もコンスタントにリリースしており もうそれから17年くらいですか。精力的に活動し続けて嬉しい限りなのです。
Vo&GtのMatthew Kiichiはシャウト/グロウル、クリーンボイスを上手く使いわけて楽曲にフックを与えます。特にクリーンボイスが澄んでて優しくていいんですよね。この手のジャンルでなかなか聴けない声質だと思います。
もちろんギター的にもかっこいいです。ソロもいいですが僕的にはリフ。そして特に最近の楽曲でよく入ってくる バース後ろのシーケンスフレーズが好きです。動画の楽曲でも聴けます。
彼らの初期はめっちゃメタリカ。って感じでしたが、作品を出すごとに楽曲もサウンドも多様化していきます。
7弦を使いはじめてからは特に顕著でしたね。なんででしょう?きっと彼らのプレイヤーやミュージシャンとしての成長も大きいと思いますが、サウンド的な部分に関して言えば「気合入れて重低音かますぜ!」という力が入った状態から解放されたようにも見えます。そのあたりが動画の楽曲でよくわかると思います。初期の頃からはこの楽曲は想像できません。
去年秋頃 発表された最新アルバムもよかったです。M2,M3,M7,M9,M10が7弦使用。ここ最近のTriviumは6弦の曲もLow=C#くらいまでドロップしている楽曲が多い印象です。
Matthew Kiichiは山口県生まれ(すぐに渡米してますが)ということもあり過去には「Shogun」というアルバム「Kirisute Gomen」という楽曲をリリースしたり日本文化が好きなことは有名です。つい最近発表されましたが「IBARAKI」(妖怪 茨木童子に因んでいるらしい)というブラックメタルのプロジェクトも始動しています。ここでは8弦ギターを使用。
彼はYouTubeチャンネルを持っており(配信の切り抜きメインですが)これが結構面白い。気になった方はチェックしてみてください。機材紹介などもありますよ!全く関係ないですが某メーカーのフーチーズ担当の方がマシューにちょっと似てます。笑
最後はこのブログをかくにあたって色々漁っていたら見つけた多弦ギターの格好良い演奏を!
Abasiスタイルのギターを使用していることからわかるようにジェント系。このUnprocessedというバンドは次世代系ジェントバンドなどと言われ、界隈では意外と知られているみたいです。下の動画はそのギタリスト兼ヴォーカリストであるManuel Gardner Fernandesによる、BAD STROKEというギターメーカーのデモ演奏動画のようです。
圧倒的なテクニック。そして広い音域をフルに活かした変態的なフレージング。あとよく観てるとわかってくるのですが、フレーズによって弾き方めちゃめちゃ変えてるんですよね。綺麗に鳴らしたい時と暴発させてたい時とパーカッシブにしたい時と濁らせたい時とーといった具合に。音域だけではなく太い巻弦が増えたことによって出せるようになる 質感やアタック感、ニュアンスも使いこなしている感じすごいと思います。つい見入ってしまいます。
一般的な6弦ギターで出せない(聴き馴染まない)そのサウンドはやっぱり斬新で。エレクトロっぽいシーケンスを混ぜたくなる感じもわかります。相性いいですよね。いやぁかっこいい。
というわけで
今回は多弦ギターを用いたかっこいいサウンドをテーマにブログを書いてみました。僕のまわりにもちらほら7弦ユーザーがおり、はじめて7弦を手にした時のきっかけを聞いてみましたが、少し上の世代だとやはりSteve Vai、同年代くらいだとJohn Petrucci、時折 Meshuggah。あとは「大は小を兼ねる」と言っていた人もいました。笑
これは意外と重要で。Low=C,C#の楽曲を弾きたいー太いゲージの弦を張ろう となった時、6弦ギターの場合はナットやブリッジの溝だったりと色々セットアップしないといけない部分が出てきます。しかし7弦ギターなら当たり前ですがその必要はありません。
様々なジャンルを弾いて楽しみたい方、プレイやアプローチの幅を広げたい方、楽曲クリエイター、アレンジャーの方なんかは7弦が1本あると良いと思います。
最後に
長くなってしまいすみません。ラウド系のサウンドたくさん聴いていたら思い出してしまった動画がありまして…多弦でもなんでもないのですが 低音の魅力というか音楽の多様性というか…面白いアレンジを最後に貼っておきます。わかる人にはすごくわかってしまう目の離せない6分30秒です。
普段出せない音域で新しいインスピレーションが得られるかも?まさにRide on New Scaleなわけです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
渋谷店 ニシキド