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【村田ブログ】【連載】BASS DIを考える【その参】

【村田ブログ】【連載】BASS DIを考える【その参】

では常にドライブしたSVTやマーシャル、HIWATTなどのサウンドを好むベーシストやディストーションサウンドにこだわりたい皆さんはどう言ったDIを使用すれば良いのでしょう?いや、そもそもDIを使用する必要があるのでしょうか?例えば同じHIWATTアンプを使う場合でも、ギターではDIを使用しません。しかしベースではDIを使用します。この意味は?

一般的にエレキギターにDIは使いませんよね

例えば、小規模のライブハウスでSVTなどの真空管ベースアンプを使用する場合であればDIは必要ないかも知れません。ギターと同じ様にスピーカーにマイクを立てて、その音をPAに送れば良いと思います。しかし、以前の投稿でも話題にしましたが、ベースのマイキングは結構難しいものです。マイキングに時間がかけられなかったり、さらにトゥイーターの「チリチリとした」音もPA側に送りたい場合などはどこにマイキングする?という…物理的に難しいことも多いでしょう。この場合はDIとマイクを並行して使用して、スピーカーからの音はマイクで拾い、トゥイーター的な成分はラインで(PAオペレーターが)作り出せば良い、ということも言えます。つまりクリーンなDIサウンドは昨今一般的なスピーカー+トゥイーターで作られるベースサウンドにおいては当然の採用、ということになるでしょう。

そこでご紹介したいのがRadial JDX48やRoger Mayer DIなどで使用できる「AMP OUT DI」という考え方です。

ヘッドのスピーカーアウトからDIに信号を送るんです

特にJDX48はアンプヘッドとキャビネットの途中に配置するタイプのDIで、ギターで言う「キャビネットシミュレーター」に近い考えを持ったDIだと言えます。ベースサウンドはアンプヘッドで作り、その音をスピーカーとPAに送ってしまうという考え方。Radial JDX48はアナログの「キャビネットエミュレーター」機能も搭載されており、驚くほどリアルなベースアンプサウンドをPA側に送り出せます。利点はそれだけではありません。いわゆる「イヤモニ」を愛用するミュージシャンに望まれるライン臭くないベースサウンドを供給できる点にあります。もちろん、ライブだけで無くレコーディング現場でも高い評価を得ています。*あくまでベースアンプ/キャビネットから音が出ている状態で使用します。ダミーロード機能は搭載されていませんのでご注意を

Roger Mayer DIの場合はキャビネットエュレーター的な要素は用意されていません。すなわち「FOH(会場のメインスピーカー)をベースキャビネットの代わりにつかってしまおう」というスタイル。じつはこの手法は海外では多く採用されており、特に現代的な超ヘヴィー/スーパーローを重要視するベーシストにとっては当たり前になりつつある様です。

もちろんイヤモニなどでモニターする場合はステージモニター担当がしっかりサウンドを整える必要がありますが、圧倒的にローの情報量/音像がリッチなので耳障りな高域とルーズな低域だけを抑えてやれば素晴らしいサウンドが手に入ります。

これらはベーシストだけで無く、クリーンサウンドにこだわるギタリストなどにも支持される使用方法です。ステージ上のアンプはあくまで演奏者のためのモニターとして音量がセットできるので、ステージ上のアンサンブルのまとまりが良くなるという利点もある様です。

もちろん、これらの要素に加えて、PAエンジニア側と出したい音の意向をすり合わせる事も大切です。しかし、PAに全てを丸投げで良いライブサウンドを作り出すのは難しいと思います。特に専任のPAエンジニアが決まっていないブッキングライブなどでは尚更ではないでしょうか。

以上、DIの使用方法やその種類について考える連載でした

皆様もぜひ MY DI を検討してみてください。アンプを持ち回るより、自分の理想的なサウンドが会場の観客に届けられるかも知れません。また、ペダル型プリアンプとDIをくみわせて、さらにコンパクトで理想的なサウンドシステムが構築できるかも知れません。ご質問などございましたらお気軽にスタッフまでお声がけください。