良材が生み出すトーンをシンプルにバランス良く鳴らす。
どうもニシキドです。
今回のブログではこちらのギターをご紹介していきたいと思います。
Crews Maniac Sound SUPER EX

オリジナル・エルボーカットエクスプローラーは1958年製。エリック・クラプトンが1973年もしくは1974年頃から数年だけ使用していたものになります。記念すべき初来日公演でも使用されたことで有名ですね。元々はフルサイズのエクスプローラーでしたが、ボディの先に修復不可能な箇所があり、前のオーナーがリペアショップで大胆にもその部分ごとカット。クラプトン入手時点で既にボディはカットされていたという話です。
ソビエト連邦が1957年にスプートニク1号を打上げ、米国は宇宙開発競争の対抗策として早急に人工衛星を打ち上げる必要がありました。その1年後の1958年に米国初の人工衛星エクスプローラー1号が打ち上げられます。
そんな時代背景の中、近未来的/宇宙的デザインをギターに落とし込み”モダニスティック・ギターシリーズ”として発表されたのが「V」、そして「エクスプローラー」でした。(Modernも同時期に企画/発表されておりますが市販されたのはしばらく経ってから)
今でこそ復刻モデルを目にする機会も多く我々は見慣れてますが、これまでとかけ離れたデザインが斬新すぎたのかセールス的に不調ですぐに生産が止まってしまいます。1958〜1960年頃に製作されたレスポールモデルが1500本前後に対し、エクスプローラーの製作本数は20本前後と言われており、これが幻のギターといわれる所以なのです。(クラプトンの影響か1976年頃から再生産されます。※マホガニーボディで。)

今でこそネットで調べれば多くの情報が出てきますが、当時はカタログからも消えてしまったモデル…かつカットされて別の形になってますので、当時の日本のファンやギタリスト達からしたら謎が謎を呼ぶようなギターだったかと思います。
僕はもちろん村田さんもまだ生まれてない頃の話です。笑
弊社代表吉岡はリアルタイムということもあり、このギターの話を色々と教えてくれました。その知識や体験が今回ご紹介するモデルの製作につながったようです。
少々長くなりましたが、前置きはこれくらいにして…オリジナルのディティールを参考にしながらクルーズなりの解釈で製作されたSUPER EXというギターをご紹介をしていきます。
過去に何度か製作されておりますが前回は2020年でしたので6年ぶり。良質なコリーナ材が確保できたタイミングでないと製作できないため、クルーズの中でも生産本数が少ないSUPER EXです。
エルボーカットの恩恵
まさに偶然の産物…。ボディの一部を大胆にカットしたことによって得られた”絶妙なサイズ感”も本機の魅力。取り回しの良さもさることながら、音像が整理/洗練されたようなレスポンスとなり(ビッグ過ぎない)、低域から高域までバランス良く響きます。コードをかき鳴らした際の明瞭さや広がり、単音での抜けの良さは特筆すべきポイントです。

希少な良質コリーナ材
木目の詰まった良質で美しいコリーナ材を採用しております。コリーナも年々希少材となってきており、この質感のものはなかなかお目にかかれません。サウンドは唯一無二。パッと音聞いただけでコリーナだ!とわかるような個性。明るくハリがあり、突き抜けるように前に飛んでくるような密度の高いハイミッドが特徴的です。コンプ感控えめのこの原音をドライブでサチュレーションさせていくと…??強い音の芯のまわりに美しく倍音を纏った素晴らしいサウンドが手に入ります。

指板材にブラジリアンロースウッドを贅沢に採用。
こちらも希少材ブラジリアンローズウッドを贅沢に採用。コリーナ特有の明瞭なレスポンスに深みを付加。強く弾けば力強く、繊細なタッチには滑らかに反応します。ブラジリアンローズウッドでなければ届かない音が確かに存在します。

芯のあるサウンドを生み出す適度に厚みのあるネック。
握り心地はしっかりとしてますが、決して弾きづらさはなく自然に手に馴染むグリップです。この適度に厚みを持たせたネックがもたらす音の芯の強さは、ギターサウンドメイクにおいて”核”となる重要なポイントだと思います。弦高もローアクションでセッティングでき、クルーズらしい快適なテンション感も健在。何時間でも弾いていられる心地良さです。

80年代以降の名手たちのサウンドをクロスオーバー。
ピックアップにはCrewsオリジナルの6Turns Custom Humbucker「Jumping & Landing」を搭載。このピックアップは80年代以降の名手たちのサウンドにインスピレーションを受けて開発されました。(ブリッジ:Jumping=エディ / ネック:Landing=ランドウがネーミングの由来です。)

ブリッジポジションではコリーナならではのハイミッドが前に出るキャラクターを活かし、歯切れ良くも厚みのあるホットなサウンドを出力。豊かな倍音を伴いながらも輪郭を失わない、ヴィンテージライクなバイト感が魅力です。ネックポジションでは適度に厚みを持たせたコリーナネックの力強い音の芯とバランスに優れたボディ鳴りを素直にアウトプット。メロウでありながらも埋もれない、艶やかなクリーントーンを味わうことができます。
こだわりのアッセンブリ
トグルスイッチにはクルーズ Closed Toggle SWを採用。音の傾向としては接点抵抗が非常に低く、信号を「そのまま、一切色付けせずにパスさせる」性能に長けています。アンプの入力手前の生ギターの信号など消え入りそうなほど小さな電流(低アンペア)でも、ロスなく確実にキャッチして通すことができるため、そのギターの持つレンジ感を失いません。

ポットにはクルーズ別注CTS製Jカーヴポットを採用。
音質はもちろん、Jカーヴを採用したことによりボリュームやトーンを上下させた際、体感的に均等で、スムーズかつナチュラルに可変するという絶妙なコントロール性能を実現しています。手元でゲインや音量、トーンをコントロールするプレイヤーには是非一度使って欲しいポット(とても好評)です。

ブラックのジャックプレートを採用しているのもポイント。

というわけで今回はCrews Maniac Sound SUPER EXをご紹介致しました。
クルーズらしい弾き心地やユーザビリティはもちろん、コリーナ、ブラジリアンローズウッドといった希少なトーンウッドを贅沢に使用。「ギターの音は70%以上が木材の音で決まると言って過言ではない。」というのがクルーズの楽器作りの考え方ですが、SUPER EXというギターは”良材が生み出すトーンをシンプルにバランス良く鳴らす”というクルーズギターの真骨頂とも言える仕上がりだと思います。
是非お手に取ってお確かめください。
渋谷店 ニシキド