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受け継がれる伝統、そしてSpector Custom Shopの息吹

受け継がれる伝統、そしてSpector Custom Shopの息吹

渋谷店 大塚です。

今回ご紹介するのはSpector Icon NS-2 Neck Throughです。

アジアで生産することで、エレクトロニクスや美しい杢目のトップ材など、上位モデルと同等のスペックを保ちつつも価格を抑えたIconシリーズ。本機はSpectorのアイデンティティの一つでもある、スルーネック構造を採用したIconシリーズ待望の新モデルになります。

1977年にデザイナーのネッド・スタインバーガー(Ned Steinberger)によってデザインされた人間工学に基づいた流線型のアイコニックなボディシェイプ。

これまでのアジア製エントリーラインのモデルでは、このボディシェイプを忠実に再現するのは至難の業でした。しかしこのIconシリーズからニューヨーク州ウッドストックのSpector Custom Shopチームによって徹底的に監修・設計されており、従来のものと比較すると手にした時の感触やシルエットはさながら本物のCustom Shopかのような再現度です。

そしてなんと言っても長年のSpectorファン全員が待ち望んでいたであろうスルーネック構造です。ネックからボディへと繋がる美しい曲線。「これこれ、これぞSpectorだ!」と言いたくなりますよね。
伸びやかで豊かなサステイン、一音一音弾くたびに楽器全体が鳴っている感覚。スルーネック構造はサウンド面にも大きな影響を与えます。

ブリッジにもSpectorらしいダイキャスト製の物が搭載されています。こちらもキューブ型の巨大なサドルを両端からイモネジでガッチリとロックするSpectorお馴染みのスタイルで、弦の振動をスポイルすることなくボディにしっかり伝達してくれます。こういった機構を見ると、パーツ全てがサウンドを構築する要素なんだなあと感じます。

それから、個人的に「おっ!」と思った部分は高さ調整用のイモネジの位置とオクターブビス。従来の仕様だと高さ調整用のイモネジは四角形の対角線上についており、オクターブ調整する際はブリッジ両端のイモネジのロックを緩めてからサドルを手動でスライドするスタイル…と調整には少々コツと慣れが必要でした。

今回のブリッジは横一列に並んだ弦高調整用イモネジ・オクターブスクリューのついた、良く見慣れた一般的なベースに近いスタイルになっており、Spectorらしさは維持しつつ現代のニーズに合わせてアップデートされていると感じた点です。

エレクトロニクスも見てみましょう。
サウンドの核となるのは特別にチューニングされたAguila製のエレクトロニクス。ピックアップにはAguilar DCBピックアップ。高出力でありながら低ノイズ、音がダンゴになることもなくクリアでダイナミックなトーンを出力してくれます。

プリアンプにはAguilar OBP-2を搭載しており、BassとTrebleのブースト&カットが行えます。アンサンブルやプレイスタイルに合わせて、わざとらしくならずにナチュラルにサウンドを補正する事ができます。

特筆すべきはピックアップがリバースPJ配列であること。通常の一般的な配置と異なり、「4弦・3弦がブリッジ寄り」「2弦・1弦がネック寄り」になることで、低音弦はは暴れすぎずタイトで引き締まった印象に。高音弦はしっかりと太さを持ちつつ煌びやかなサウンドになります。

これもまたSpectorらしいサウンドを構成する要素の一つであり、チューニングを下げたヘヴィなアンサンブルのバンドやグルーヴィーでダンサブルなジャンルのプレーヤーがこぞって使用していた理由の一つでもあると思います。

約50年にわたるSpectorの伝統的でアイコニックなスタイルとサウンド。しかしIcon NS-2 Neck Throughは過去のモデルの焼き直しではありません。長年のファンにも、そして次世代のプレイヤーに向けても進化し続けるSpectorのスタイルを堂々と示しているのです。

大塚

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