やっぱりVOX AC30なんじゃないでしょうか?
レディオヘッドが6枚目のアルバム「Heil to the Thief」発表後の2003年から2009年ごろに行ったライブレコーディングが発売となったとのニュースが。
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15287
音源のミックスはベン・バプティ(アデル、ザ・ストロークス、U2)、マスタリングはマット・コルトン(エイフェックス・ツイン、アークティック・モンキーズ、オジー・オズボーン)という事でそのサウンドはもちろん素晴らしいのですが、バンドの熱量というか存在感がとにかくすごいライブです。
Radioheadオフィシャルのyoutubeチャンネルでいくつかの映像もアップされているのでぜひチェックしてみてください。ご本人たちも「自分達で今、客観的に聴いても凄い」という状態らしいのですが確かにすごい、です。あの音源の楽曲をライブで完璧に再現しているのも本当にすごいと思います。
で、楽器屋的にチェックしたいのがこちら…
「There, There」のライブ映像です。
このトムヨークの誰にも真似できないギターですねー素晴らしいですねスバラシイ。Gibson ES-125Tのこの音、そしてトムヨークのメインアンプといえばのAC30の相性が良すぎます。ちょっと情報は精査する必要がありますが、トムヨークが愛用するAC30はトップブーストなしの63-64年のAC30だと思われます。いわゆるAC30ノーマルチャンネルのキャラクターである「音楽的フラット」を好んでいるのだと思います。
VOXのハンドワイヤードシリーズAC30HWR2Xも同じ様に1963-1964年のAC30をベースにデザインされています。この時代のAC30の特徴を再現するにはノーマルチェンネルを選択し、BRIGHT SWをOFFにしてMASTER VOLUMEを時計3時方向にセットしてTONE CUTは時計9時方向程度にセットしてみてください。そして好みの音量/ゲインになるまでNORMAL VOLUMEを上げて頂ければそのフラットで音楽的な真空管サウンドを楽しめると思います。ハムバッカーやP90など、使用するギターによってはBRIGHT SWをONにしてもよろしいかと思います。

Radiohead以外にもOASISのノエルギャラガーが「Don’t Look Back in Anger」のレコーディングで使用したホワイトタンレザーのVOX AC30も1964年ごろのトップブーストなし、いくつかのパーツ構成が異なるBASSモデルですが基本の音はほぼ同じです。
もちろんロリーギャラガーやブラインメイのAC30もトップブースト無し、ですしリッチーブラックモアやトニーアイオミがサバス初期に使用したAC30も「トップブースト」を備えていません。

もちろん「TOP BOOSTなし」が至高!というわけではありません。
以前にも投稿していますがFoo FightersのChris ShiflettはAC30HWをクリーン/クランチのメインアンプで愛用していますが、彼はトップブーストチャンネルを使用しています。

同じくQueens of the stone ageのギタリストTroy Van LeeuwenはEF86を採用したVOX AC-30H2のヘッドを愛用していますが、TOP BOOSTチャンネルをエフェクトのWETシグナル用に使用(スイッチングでノーマルチャンネルも使用)しています。U2のEDGEもTOP BOOSTモデルを愛用しており、トップブーストチャンネルを使用しています。

この様にチャンネルは異なれど根幹にあるのはAC30の音、です。
好評の「新しい」ハンドワイヤードシリーズでその音を体験してください。
村田