【村田ブログ】VOX -Valvenergy- 2nd gen.
VOXバルブエナジーシリーズの第二世代が発売となりました
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バルブエナジーとは文字通りバルブ(真空管)を搭載/活用したペダルであることを意味します。そして、ここで言う真空管とはKORGの開発したNuTubeのことを指しています。
そんなバルブエナジーの第一世代は「アンプシミュレーターペダル」でした。
コンパクトサイズ/9V DCで同祭するペダルの中に「アメリカン」や「ブリティッシュ」といった代表的なサウンドキャラクターとスピーカーシミュレーターを含み、パワーアンプと組みわせたりそのままラインで直接レコーディングやライブなどで使用できます。アナログサーキットならではの音のスピード感やピッキングへの反応など、弾いていて非常に楽しく、かつ使える音ということで世界中でヒットしたペダルです。特に、ラインでもペダル類で基本の音を作りながらアンプの質感を加えたい、という様な現代的なセットアップではかなりのパファーマンスを発揮します。
そんなバルブエナジーの第二世代は一気に方向転換し、ギターやアンプの特性を活かしながらサウンドに「らしい質感」をアーティキュレーション(弾きやすさ、という意味で)を加える事にフォーカスしています。製品開発には多数のヴィンテージ機材から最新のモデリングアンプでの使用想定も検証されており、幅広いジャンルのミュージシャンが「実際に使える」サウンドに仕上がっています。
「良音」バッファード・バイパスに注目すべき
昨今では当たり前の様に、直列でペダルを5台以上接続するパターンがあると思います。
その際に気をつけなければならないのがエフェクトバイパス時のサウンドです。
「トゥルーバイパスは音質劣化がない」というのは嘘です。試しにトゥルーバイパスのペダル3台をオフの状態で直列/数珠繋ぎにして音をチェックしてください。その後、ギターとアンプを直結して音を聞いてみてください。パワーのあるピックアップやアクティヴピックアップでない場合、特に音質がハイ落ちし、音が引っこんで聴こえるなど、エネルギー感がなくなっていると感じるはずです。
VOXバルブエナジー 第二世代ではバイパス時にバッファード/アクティヴバイパスを採用しています。
これによりペダルボード内での音質をキープします。かなり自然でありながら艶感もあり、非常に良いバッファーサウンドだと言えます。
もちろんファズペダルを後段に接続する場合は注意が必要ですが、基本的にバッファーで大きく音を変えてしまうファズは、ギターの一番近く(ダイレクト)に接続しないとその性能が活きません。反対にバッファーに強いファズ(マフ系や4トランジスタファズ)はバッファーの後段でもそれほど影響を受けません。
各モデルをチェックして行きましょう
FUEL INJECTOR
弾き手のプレイを活かしながら、アンプの初段ゲインをさらにドライブさせる様なイメージを持つオーバードライブペダル。つまり「〜系」にカテゴライズされない、フルレンジでセンシティブなペダルです。オーバードライブとはいえゲインを上げて行くと、かなりの歪みを生み出し、パワーのある(高出力)ピックアップを搭載したギターであれば、より深いドライブサウンドを楽しめます。
使用するアンプの初段の手前に、もう一段ゲインコントロールを加えた様なイメージなので、あくまでギターとアンプのサウンドを尊重しながらゲインを加えてくれます。現在手持ちのペダルボードに加えても、バランスを崩す事なく真空管サウンドの特徴であるハリとコシ、そしてサチュレーションを加えてくれます。
POWER BURST
VOX AC30との相性抜群のトレブルブーストとナチュラルブースト、そしてミッドレンジブーストを切り替えて使用できる真空管ブースター。
フルレンジブースターとは異なり、真空管ならではの音の特性を持たせる事で音楽的で耳あたりの良い、それでいて突き抜けた存在感をギターサウンドに加えてくれます。Trebleモードではクラシックなトレブルブースターを参考に、 AC30のNORMALチャンネルとの相性抜群なサウンドに仕上がっています。マーシャルやオレンジ、フェンダーアンプで使用してもその個性はキープされます。耳に痛くないトレブリーなサウンド。
Naturalモードはローカットされていないブーストなのでどの様なシチュエーション、機材と使用しても相性が良いモードです。
Middleモードはストラトキャスターのブリッジピックアップやテレキャスターなどとの相性がよく、ハムバッカー+ヴィンテージマーシャルなどのセットアップでは適度にローカットされますので、同じく相性が良いと思います。ご愛用のODペダルをMiddleモードでプッシュしてみてください。
SMOOTH IMPACT
待望の真空管コンプレッサーペダル。
これまでの真空管コンプの様な「プロ向け」機能を排除し、ギターサウンドに向けて音色を練り上げる事で、驚くほど「ギタリストが求めている」サウンドになっています。VTGモードではインパクトのある「パッコーン」サウンドが、NATモードではブティックアンプの音量が上がった時に得られる真空管ならではのコンプレッションサウンドを。そしてSAGモードでは、多くのヴィンテージ真空管アンプの音量を上げた際に生まれる倍音と特徴的なコンプレッションを再現。クリアなのに「美味しい雑味」を持ったあの音、弾き心地を加えてくれます。
TONE SCULPTOR
こちらも待望の真空管グラフィックイコライザー。
プリアンプセクションにNutubeを搭載し、音質補正というよりは積極的に真空管の倍音とコンプレッションでサウンドメイクを楽しむペダルです。EQレンジは100Hz/250Hz/570Hz/800Hz/2.2kHz/5.6kHzとなっており、ギタリストが直感的にトーンを形成できるように設計されています。それゆえ一般的なグラフィックイコライザーと比べて各帯域のQ幅が広がっており、効果的にサウンドメイク可能です。また、あえてグラフィックEQのセンタークリックをなくす事でゼロポイント/センター付近での微妙な調整が行いやすくなっています。EQとしてはもちろん素晴らしいサウンドですが、POWER BOOSTのレンジ感をさらに広げるブースターとしての使用も強く推奨します。特にクランチ状態のブリティッシュアンプへのブースターとしては最高だと思います。また、アコースティックギターのプリアンプ/EQとしても是非お試しください。
とにかく、真空管搭載ペダルのイメージそのままのサウンド。「真空管らしさとは?」という問いにも音で答えてくれると思います。その上ローノイズ。12AX7ではこうはいかないはず。さらにいずれも外部9VDC(一般的なセンターマイナス)で動作するほか、短時間であれば9Vバッテリーでも駆動します。特徴的なOLEDディスプレイをみると「デジタルペダル」の様なイメージを持たれるかも知れませんが、れっきとしたアナログペダルです。音を出してみてください。すぐにその事が理解できると思います。是非フーチーズでお試しください。