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【村田ブログ】【連載】BASS DIを考える【その弍】

【村田ブログ】【連載】BASS DIを考える【その弍】

DI or Preamp? どちらを採用するか?

ライブやレコーディング時、自身の音に拘るベーシストはDIの代わりにペダル型プリアンプなどを用意すると思います。ベースプリアンプにはDIを兼ねているものが多く、バランスアウトが用意されています。この様なプリアンプを使用する場合のポイントを確認します。

ペダル型プリアンプで基本の音を作る場合、プリアンプの「DIアウト」の信号をPA/録音卓に、一方のアンバランスアウトをベースアンプ側に送り出します。アンプ側は通常のインプットではなくアンプの背面などに用意されたラインイン/パワーアンプ・インなどに送り出す事で、ペダル型プリアンプで作った音をアンプ側/ライン側の共通に送り出せるというメリットがあります。

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ここで注意しなければならないのは、プリアンプで音を作り込んだ後で、さらにアンプ側で音を調整しようとしない事です。そうしないとペダル型プリアンプのDIアウト/ラインの音と、ペダル型プリアンプのアンバランスアウト/アンプ側の音が極端に違ってしまう可能性があるからです。この場合、位相の問題などが発生し、PA側でうまくベースの音をまとめられない場合があります。アンプ側ではイコライジングなども最低限の補正とし、あくまでステージ上での音量調整程度のコントロールに留めておくべきでしょう。

ペダル型プリアンプなどを使用しない場合のラインアウトとしては、一般的なDIを使うスタイルになります。

アンプの手前にDIをセットし、信号を分岐させる、と言うスタイル。これがおそらくライブハウスなどで一番多く採用される手法だと思います。この場合、アンプに立てたマイクの信号とDI/ラインの音をPA側でミックスします。

ベースにDIを使用する、というのは60年代後半から70年代初頭にはレコーディング環境で採用され出したそうですが、いつ頃からライブ現場でも当たり前の様に採用される様になったのでしょうか?

シンセが台頭し、ステージ上の楽器が複雑化した辺りでは音被りの少ない状態でPAにベースサウンドを届けたかったのでDIは必須化していった…と考えられます。
また、ベースアンプも60年代から70年代初頭まで主流だった真空管アンプからソリッドステイトアンプに人気が移り変わり、さらに演奏方法としてもスラップ(チョッパー)ベースサウンドなどが登場し、浸透し始めた頃。やはりクリーンなベースサウンド(クリアなアタック音)をPAエンジニアが望んだのではないでしょうか
加えて、ギターアンプであればボリュームを上げてドライブした音も良しとされますが、音楽の進化と共にベースはできるだけクリーンなサウンドをキープして欲しかった…だからこそ、クリーンなベースアンプ手前のサウンドをDIを経由してPAに送りたかったのでは?という事も推測できます

ではクリーンな音「ではない」ベースサウンドの場合は?

ただ、このアンプとDIをミックスすると言う方法、アンプサウンドがクリーンな場合は良い結果を生むと思いますが、例えばドライブするアンプサウンド(AMPEGやMARSHALL/HIWATT/ORANGEなど)やディストーションサウンドを好むベーシストの場合、イマイチな手法になる事も多いと思います。

… 次回に続きます。