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【ブログ】MUSIC MAN JPシリーズを辿る(Part.1)

【ブログ】MUSIC MAN JPシリーズを辿る(Part.1)

こんにちは。和田です。
2022年スタートしました。まさかの大雪で昨日(1月6日)は18時で閉店となかなか波乱なスタートを切っております。

今回はもはやシグネイチャーモデルとしての枠を越えて、定番ともなりつつある、MUSIC MAN JP シリーズの歴史について触れていきます。

・MUSIC MAN JP シリーズとは?
言わずとしれたJohn Petrucci 氏のシグネイチャーモデルです。

※メーカーHPより:https://www.musicmanguitars.jp/artists


本人の使用はもちろんの事ですが、海外の動画(特にメタル系やシュレッド系)を見てみると驚くほど使用率が高いことにも驚かされます。(近年はJacksonやCharvelも増えきたり、ヨーロッパ系のマニアックなブランドも増えてきおります)
そして本人以外でその筆頭となったのはJason Richardson


↑の動画でも使用している恐らくJP15をベースとしたバールメイプルトップのカスタムモデル(初代JP仕様のものもあったような…)に注目が集まり、この仕様のJPが手に入らないのか?とよく私も問合せを受けた記憶があります。そして実際に日本国内限定で発売されたりを経過して同社CutlassをベースモデルにしたJason Richardsonモデルが発売となる訳です。


いきなり話がそれてますね…

ちなみに日本国内では柴崎浩氏やtatsuo氏の使用で知られています。
柴崎氏はLukeのイメージが強いですが、abingdon boys schoolのライブ等で使用されているのが確認出来ます。
tatsuo氏は歴代JPシリーズに加えて、MajestyやArmadaと数多くのMUSIC MAN を使用されています。なんとJP関連だけで10本!
恐らく(いや、間違いなく)日本で一番JPをスペックだけでなく、サウンド面、プレイアビリティ面でも知っている(理解している)お方であると思います。
氏のHPから確認出来ますので、ぜひ見てみてください。
http://www.tappun.com/machine.php
※tatsuo氏のプロフィール、HPはブログの最後に記載しております。こちらもご覧ください。
今回のブログ掲載に辺り、ご協力ありがとうございました!

さて、それでは歴代モデルを順を追って辿っていきましょう。
まずは最初のモデルであるJP6
※全て7弦モデルがありますが、6弦モデルのみの紹介で7弦は省略します。


これは一番最初に出来たモデルです。某メーカーのエンドースメントを外れた後にMUSIC MANと契約をしたと聞いた時にはなかなか衝撃だったのを覚えています。
当時のラインナップの中からどのモデルを使うんだ??って思っていたところ、MUSIC MANの定番モデルであるSilhouetteをベースに、JP氏のリクエストを盛り込みブラッシュアップし完成したのがこのJP6です。
JPX以降のモデルを見ていると忘れてしまいそうですが、元はSilhouetteです。
JP6と並べてみるとその面影はあるかと

同じくSilhouetteが元になっているモデルと言えばLUKEもそうですが、これはまた別の機会に。

シンクロ式ながらもFR並みのリセスが入ったトレモロにピエゾ、大胆に入ったエルボーカット。 

そう来たか! 

というのと、当時のMUSIC MANからは想像も出来ないネックの薄さ。
周りがざわついたのもしっかりと覚えているのと、前エンドースメントのシグネイチャーからすると倍以上の金額になったので、それもザワついたのも覚えています。

そして7弦モデルとなるJP7も発表となり、こちらはピエゾの付いた7弦ギターとして唯一無二の存在となる訳です。実際に7弦ピエゾ付きモデルは現在でもレギュラーで出してるのはこのモデルだけかと。
そんな衝撃から気が付けば20年、昨年は20周年モデルも登場しました。

最新モデルばかりが目につく近年ではありますが、この初代JPもホントに扱いやすいギターです。後継のモデルはもちろんですが、初代の時点で

完成されたギター

であったのは間違いありません。
それほどまでに納得がいく弾き心地と扱いやすさです。この部分に関しては以前綴ったブログがありますので、よろしければご参照ください。↓
【ブログ】納得の即戦力 MUSIC MAN JP6

そしてさらに驚かされるのが発売から20年の間、常に

進化している

という部分です。
PUの変更(D-SonicからCruch Labに変更)から始まり、トレモロスタッドの位置変更、ステンレスフレットに変更、ネックシェイプの変更と同じJP6でも細かなアップデートがされています。
スタッドの位置変更に関しては中々の拘りようです。確かアーム使用時に1弦がスタッドに当たってしまうとか何かだったような…。
比べてみると分かりますが、位置が変わっています。
※旧スタッドの画像が無かったので、MUSIC MAN ノーマルのトレモロスタッド位置との比較です。

フレットはJP11からステンレスフレットが導入されて以降、全モデルがステンレスに切り替わったと記憶してます。
ネックシェイプは気が付いたら変わってました(汗
そういったニーズにリアルタイムに対応していくことが出来る

MUSIC MAN

って凄いと毎度の事ながら思わされます。
さて、話を戻しまして次に登場したのが2007年。
BFR(Ball Family Reserve)の立ち上げと一緒にBFR JP6が誕生します

BFRは厳選された希少材から数量限定で生産されるラインです。PRSでいうところのPrivate Stock的なラインです。
大きな変化としては1弦側のホーンが【細く】なりました。これでグッと最近のモデルの見た目に近づいた印象です。
理由としてはハイポジションでのプレイアビリティの向上を狙ってとの事です。(ちなみにこのモデル以降、どんどん細くなります(笑))
細かなチェンジとしてはToneノブをPush-Pullでフロント&リアのミックス時のみタップが出来るようになっています。(通常のJPではミックスポジション時はオートタップの為2Hの音がだせません。)

さらにBFRシリーズの特徴としては【マホガニートーンブロック】がボディに埋め込まれている事です。
このモデルの場合はアルダーボディに【マホガニートーンブロック】が入っています。ネックエンドにホイールナットが入っている為、ネックを外す事がないMUSIC MANのギターですが、外すと確認出来ますので、もし外す機会があれば見て頂ければと。
ちなみにこんな感じ↓になっているようです。※画像はAXISの限定モデルでトーンブロック&チェンバーになっています。

メーカーHPより:https://blog.music-man.com/uncategorized/guitar-and-bass-neck-types-bolt-on-vs-through-neck/

どのくらいの深さで埋まっているのはわかりませんが、入れ子になっていますので、高い技術が要求される作り方となっています。(某工場でこの入れ子式の加工を見たことがありますが、なかなか大掛かりな作業でした。)

これで何がかわるの??

って言われそうですが、やはりネックポケットやPUの下と重要な場所に埋め込まれているだけあって、響きは確かに違いました。(どう違ったかと言われると表現しづらいのですが…)
アルダーのミッドレンジがよりリッチになった感じとイメージして頂ければよいでしょうか…。
これは入荷があった時に再び検証出来ればと思います。

そしてBFR JP6の後、エンドース契約から10年目の節目となる2010年にJPX(JP10)が登場、以降は毎年のWinter NAMMで新モデルが発表されるという時代に突入します。

と、区切りがよくなったので、今回はこの辺りで…。(やはり1回では終わらなかった…)
今年一発目から長編を出してしまいましたが、今年もこんな感じで進めていければと思います。

いかがでしょうか?

最初の10年をちょっと振り返っただけでこんな感じになりました。
なかなか盛りだくさんですね(汗
次回はJPX(10)からJP15、まかさのスペックで度肝を抜かれたJP16、そしてMajesty登場のところまでいければと思います。
※こちらのブログの画像は全てMUSIC MAN HPより抜粋となります。

それでは。

和田

今回HP掲載のご協力を頂いたtatsuo氏のプロフィールです。

tatsuo 氏プロフィール
プロデューサー・作曲家・編曲家・ギタリスト ビジュアル系エアバンド・ゴールデンボンバーの編曲・レコーディングやその他多数の若手バンドプロデュース作業に従事。
仮面ライダーシリーズでは10年以上に渡り楽曲を手掛けている。 オーズ、フォーゼ、ウィザード、ドライブ、仮面ライダー4号、グリス、クローズ、7作品の主題歌や多数の挿入歌を作編曲、制作する他、 アニメ番組「SKET DANCE」では4クール4作品の主題歌 作編曲を担当。
テレビ番組BGM制作、アニメ劇伴制作、BABYMETAL、ももいろクローバーZ、LADYBABY、BOYS AND MEN、The Brow Beat、岡宮来夢など幅広いジャンルを手掛け、音源制作では自宅スタジオにてギター以外の全トラックにも対応するマルチプレイヤーである。

オフィシャルウェブサイト:http://www.tappun.com/