【ブログ】Kemper 新機能 Double Trackerを試す(PROFILER OS 8.6 アップデート)
こんにちは。和田です。
さて、今回ご紹介するのはKemperです。
ベータ版ではありますが、新たにPROFILER OS 8.6 がリリースとなっています。(現在はOS8.7まで進化しています。)
Just released: PROFILER OS 8.6 public beta. Featuring Double Tracker! pic.twitter.com/dM9FoJCVCa
— Kemper Amps (@Kemper_Amps) September 9, 2021
本国HPでも紹介されておらず、Twitterでのみしれっと発表されてしまうと、見落としてしまいますよね…。(実際見落としてました…。ベータ版だからというのもあると思いますが…。)
このtwitterにも記載されているように今回はDouble Trackerという新しい機能(エフェクト)が追加されていましたので、早速アップデートしてみました。
ベータ版ですので、RigManegerからのOSアップデートは出来ませんので、HPからファイルを落として、USBメモリーに入れ、本体USB端子より直接アップデートします。
ベータ版のアップデート方法に関しては以前ブログでご紹介しておりますので、こちらをご参照ください。
【ブログ】Kemper Stageをipadで操作する
さて、アップデートも終わったところで、今回の新機能Double Trackerを使ってみましょう。
って、その前に
Double Tracker ってなんなの!?
って方もいらっしゃるかと…。(知っている方、ちょっと長いので飛ばして読んでください。)
まずはtwitterの画像を見てください。絵がちょっとズレて重なっているように見えますね。
まさにそれがDouble Trackerの効果を表しています。
ダブリング、もしくはダブラーという言葉を聞いた事があるでしょうか?
DTMでも良く使われていて、同じフレーズを何度も重ねてミックスすることで、厚みを持たせる方法で、主にギターやボーカルに厚みを持たせたい時に使用します。
原理としては既に弾いた(歌った)上に同じフレーズを弾く(歌う)事により生じる、ピッチやタイミングの僅かなズレを利用して厚さを出します。
要するにデチューンとかディレイじゃないの?
って、感じになりますが、平たく言えばその両方を足したものと言えばよいでしょうか?
確かにデチューンとディレイを組み合わせればできますが、良い感じの設定にするのが結構大変です。
※ここは説明すると長くなるので、別の機会で。
ちなみに現在の技術(DTM)を駆使すれば、何度も同じことをしなくても、コピペして、ちょこっと細工すれば出来てしまいます。
予想はつくかと思いますが、僅かにタイミングをずらしてしまえば良い訳です。より深みを出す為にちょこっとピッチも触ってしまえば、ダブリング作業の完了です。
ここでズレすぎてしまうと、もの凄く気持ち悪くなるので、その加減はミックスする人の腕とセンスが問われる訳です。
もちろん、こういった細工をしなくても、単純に倍にすれば厚みは出ます。(これも立派なダブリング効果)
余談になりますが、このダブリング作業をコピペすることなく、ほぼ全く同じタイミング、ピッチで弾いてしまった人の代表例がコチラ↓
ギターだけを抜き出した音源なので分かり易いと思いますが、リフはもちろん、あの有名なギターソロフレーズに至るまで全編重ね録りだそうです。
いや、もうほぼコピペじゃないですか…。
流石です…。
もしギタリストにダブリングの意味を説明したい時はmこの曲聞いて頂くのがベストかと。(別の意味で心折れるかもしれませんが…)
こんな感じで音に厚みを持たせるのがダブリングです。
で、それを簡単に再現出来てしまうのが、今回新たに追加された
Double Tracker
という訳です。
これがあればギターが1本でも2本重ねた分厚い音が出てしまう訳です。
レコーディングで2本重ねちゃったけど、ライブだと1本(1人)。でも厚さはしっかり出したいよねって時に、この機能を使えば助っ人を呼ばずに出来てしまう訳です。
その代表例がコチラ
ちょっとこの動画では分かり辛いですね…。
このライブは実際に見に行ったんですが、しっかりダブリングしてるのが聞き取れました。(本人のインタビューによるとこれは足元ではなく、PA側で加工しているそうです)
実際に Double Tracker を使うのはレコーディングでいうよりはこの様にライブでという事になると思います。
実際にやってみるとわかると思いますが、Double Trackerを使ってレコーディングしてしまうと、後で編集やミックスがやり辛いと思いますので、レコーディング時は1本で録音し、コピペしてダブリングするのがベストだと思います。
さて、かなり長くなりましたが、 Double Tracker の効果は分かって頂けたかと。
効果がわかったところで、早速使ってみましょう!
画像での説明のしやすさも兼ねて、Rig Manegerを使ってサクッと…。
って、これどこに入ってるの??
効果からしてやはりディレイセクションか?それともピッチシフターセクションか?
あれ⁉どっちにもないぞ…。
と、上から順番に探していったら、イコライザーセクションにありました。
ちょっと予想外…。
ちなみにLoad TypeとLoad Defaultsがありますが、どちらも試したみたところ違いはよく分かりませんでした…。
ベータ版というのもあって、説明もないので、正式アップデート後に説明がでれば確認してみますが、こういう手探りで使うのもベータ版ならではの楽しみ方ですね。
さて、中身(パラメーター)を見てみましょう。
Loosenessというのがタイミングのズレ、Detuneはピッチのズレとなります。
各設定を動かしてみましたが、Detuneの設定は1セント以上にすると、ちょっとやり過ぎ感が出ますので、この設定はほどほどに。
Loosenessもデフォルトの5以上にすると、ちょっと使いづらい(弾きづらい)印象です。
シンプルにデフォルトの状態(Looseness:5,Detune:0.0)でオンにしただけでも、良い感じの効果が得られますので、あとはお好みでDetuneを設定するくらいで良いと思います。
ちなみに、速いリフを弾くというよりは、ちょっとゆったりした重めのリフを弾くといい感じになります。
派手な設定にするとスラップバック&コーラスみたいな感じになるので、わざとそういう風に使うのも面白いかもしれません。
いかがでしょうか?
使う人は使うけど、使わない人は全く使わない機能ではありますが、正統派な使い方をするのはもちろん、ちょっと大胆な設定にすれば面白い効果になるので、
ものは使いよう
って、事で色々試してみてください。
この機能ハマるとオフに出来なくなる中毒性もあるので、お気を付けを!
それでは。
和田
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