理想と拘りを詰め込んだ’57スタイルのオーダーギターが完成しました！

2025.09.06

この記事を書いた人： NISHIKIDO

渋谷店ニシキドです。

今回はお客様のオーダーギターが完成しましたのでご紹介したいと思います。
(M様ブログ掲載の許可ありがとうございます！)

Crews Maniac Sound VINTAGE LINE ST’57 Aged

ワンピース・ライトウェイトアッシュボディ＆ワンピース・ハードメイプルネック&フィンガーボード。とても美しい木目のアッシュ材を厳選して採用。とても雰囲気/貫禄があります。

オーダー時の打ち合わせでネックシェイプを決める際、店頭のクルーズギターをいくつか触って頂いたのですが、6Turns 13NightのソフトVネックシェイプがお客様のイメージにピッタリ。

というわけで同様のシェイプにて仕上げました。今回はワンピースネックなのでネック裏にはスカンク・ストライプ。弾いている時にスカンク・ストライプが視界に入るとかっこよくてテンション上がるのは僕だけでしょうか？好きなんですよね。

さてさて。ここまでパッと見はトラディショナルなSTなのですが、今回のリクエストは

「エリック・ジョンソンが好きなので彼の57年製をイメージしつつ、僕の好きなハイエンドギター的な、カスタム・コンポーネントギター的な要素を注ぎ込んでみたい。」

というコンセプトでした。何度か打ち合わせしながら仕様を決めていきました。

まずは指板のサイドスキャロップ加工。指板の角を少し内側に削ることによって、グリップ感の向上、指まわりの良さを実現。フレットもステンレス・フレットを採用し22Fまであります。

続いてピックアップです。フロント&センターはDimarzio Area58、ブリッジにDimarzio HS-2を採用しております。今回採用したのはスタック構造のシングルサイズ・ハムキャンセル・ピックアップとなります。

スタック構造のピックアップとはー
シングルコイルを2つ並べたような見た目のハムバッカーですが、これを”横に並べるのではなく、縦に重ねた”とイメージしてもらえると良いかと思います。(厳密にいうとマグネットの構造など違いますが、こうイメージすると簡単です。)2つのコイルを使用することでハムノイズをキャンセルします。

構造的にも狙い的にも以下の画像のような所謂シングルコイルサイズ・ハムバッカーとは違い、ハムバッカーの音色や出力を狙ったものではなく、ハムノイズをキャンセルすることを目的としています。

ブリッジのHS-2に関しては　配線によってシングルコイル･モードとハムキャンセル・モードの切り替えが可能なのでブリッジ・トーンポットをPUSH/PUSHすることでどちらのモードも使用できるようにしました。シングルコイル･モードはナチュラルなシングルコイルサウンド。ハムキャンセル・モードではシングルらしい明るさやキレを保ちながらハムノイズをキャンセル。ローノイズでハイゲインアンプやペダルを使用することを可能としています。

また、もしかしたらブリッジはフルサイズ・ハムバッカーに載せ替えることもあるかも？ということでハムバッカーサイズのザクリを入れてます。ボディ軽量化に貢献しているのと、スプリング5本掛けの割に絶妙にオープンで心地良いエアー感があるのはこのためかもしれません。ボディバックの木目も素晴らしい存在感。

次はパーツ類を見ていきましょう。
ブリッジにはGotoh GE-101 TS、サドルにはHighwood HG Contoured Vintage S-type Saddleにアップデート。Highwoodサドルは溝入りサドルなので弦がサドル上で動きにくくチューニングが安定、またイモネジが手に刺さったり・引っかかったりしない構造になっているためストレスなくプレイすることができます。このサドルはJonn Cruz Custom Guitarsなどでも採用されているとても評価の高いサドルです。是非チェックしてみてください！

ペグにはVINTAGE LINEに採用しているKey’stoneのブラスポストペグを採用。このペグもまだチェックしたことのない方がいらっしゃいましたら是非。とてもオープンな鳴りで気持ちいいです。